アナタの知らない「本当の離婚」
あなたの未来のために「本当の離婚」を知ってください

「離婚」って知っていますか?

今や、結婚した人の「3組に1組」の割合で離婚する時代。いわば、離婚は「ありふれたこと」になっています。しかし、本当に仕組みがわかって行われているのかは、大いに疑問があります。
別居ではなくて「離婚」。それは結婚と同じく「制度」であり、法律による仕組みです。選ぶことのできない、法律によって規定される仕組みですから、少なくとも、概略は知っておいた方がいいでしょう。知らないまま、その「概念」を口にするべきではないかもしれません。

全てを知る必要はありません。概略を知り、知らないことを知る。思い込みから解放される、ということです。わからない部分があるのであれば、専門家である弁護士にその部分を聞いてみてください。
それだけで、皆さんが「離婚」という言葉を口にするときや、考えるときの「説得力」や「自覚」が変わるはずです。
一見、ありふれた言葉にありがちな、思い込みを振り払うことが大切です。そして、「正しい離婚」を考えてみませんか。あなたの未来のために。

そもそも離婚を考える時とは?

なぜ、夫婦は離婚を考えるのでしょうか?
なぜ、そうしたいのか、そう言われているのでしょうか?
離婚、つまり「別れる」ということの動機は「とにかく一緒に生きていきたくない」という場合もあるでしょうし、「次の人がいる」という場合もあるでしょう。この「動機」は何か、ということは離婚のあらゆる局面で重要なポイントとなります。

離婚に際して決めること

未成年の子どもがいるかいないかで大きく異なります。
1、まず、離婚それ自体、つまり、離婚できるか否かです。
離婚を言い渡せば、すぐに離婚できるわけではありません。
2、財産分与=夫婦で蓄積した財産の分配
3、慰謝料=いつでも発生するわけではありません
4、年金分割=婚姻期間中の厚生年金・共済年金の保険料納付記録を分割できる制度です。
5、親権者・面会交渉
6、養育費

* 婚姻費用=これは「離婚するまで」の生活費ですので、養育費とは重ならないものです。離婚事案においては、かなりの頻度で問題になりがちです。

1 離婚はいつでも出来るのか、されるのか

離婚は、いつ、どうやってアナタにやってくるのか。まず、結婚していることが大前提ですが、簡単にいえば、どちらかにまず「動機」が生じることから始まります。暴力、浮気、親との折り合い、セッックスレス、性格の不一致など。必ず、どちらかに、動機が存在します。

具体例1:動機を探して証拠集め

Aさんは、お子さんのいないご夫婦でしたが、ある日、突然、夫から「別れたいから、出てってくれ」と言われました。よくわからないAさんはそうしないといけないのかな、と思ったものの、知り合いのツテを頼ってギリギリのところでご相談に来られました。
突然という場合、離婚の動機の在処として不貞が想定されたので、いろいろ証拠を集めてもらったところ、これが当たりました。戦略として婚姻費用請求(下記)も行いました。

しかし、合意で離婚するならともかく、法律で定まった離婚原因(民法770条)がなければ、離婚を一方的にはできません。この点、案外誤解している人も多いのではないでしょうか。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

自分の方に離婚原因がある配偶者を有責配偶者と言いますが、自分から原因を作っていて離婚ができるか、という問題も、古くからあります。「婚姻関係の破綻」が認められるかについては、裁判所の判断の傾向に変化があります。この概念は、不貞の慰謝料とも大きくかかわります。夫婦はすでに破綻しているのか、しているとすれば何時からか、いつになったら認められるかなど。よく見極めることが大事でしょう。

2 不貞の証拠の集め方

【不貞と証拠】
さて、離婚原因の1号に定められている「不貞」とは、夫婦の一方が配偶者以外の異性と性的な関係を持つことです。堂々と行われることはないので、決定的な証拠はないのが当たり前です。しかも、何を決定的証拠と考えるかは人(裁判官)次第ということになります。
LINE、メール、レシート(領収証)、自撮り写真、録音、調査会社(つまり探偵)の調査報告書、他方の自白……。
調査会社を使うか否かの決断は、信用性や費用の点でも一つの決断になります。調査会社の「ウデ」も千差万別です。

具体例2 証拠集めで形勢逆転

Bさんは、夫の浮気を疑っていました。しかも、実家に帰っている間の自宅で……。ということで、秘密兵器(電卓型録音機)で証拠集め。ばっちり不貞の現場を押さえました。

【カード(証拠)の切り方】
したがって、証拠は完璧でないのが普通です。たいていは複数の証拠(メールと写真とか)の組み合わせで、不貞の事実を証明することになります。経験的に言って、民事における立証は刑事事件などに比べると柔軟ですので、裁判官の個性により大きく判断が異なることがあります。限界がある証拠をどう使うか。いつ出すか。これで勝負が決まる場合もありますので、要注意です。
「切り札」をどう使うか。それによって「戦術」も異なります。

具体例3 真実を聞き取ることの難しさ

依頼者であるCさんの不貞が、相手方から疑われたケース。Bさんは否定していましたが、相手方弁護士からのカードの「切られ方」で、当方の依頼者との信頼関係の構築を考え直すきっかけになりました。
依頼者といえども、真実を聞き出すのは簡単ではないのです。「別に構わないので不利な事実こそ教えておいてください」と伝えるようにしています。

【慰謝料ってなんだ?】
不貞は離婚原因だけではなく、慰謝料の発生原因ともなります。そもそも慰謝料とはなんでしょうか。慰謝料とは精神的苦痛に対しての損害賠償です。したがって、目盛りがないわけで、認められたとしての金額はケースバイケースです。相場みたいなものはありますが、それも個別ケースがどれに当てはまるかにもよります。いくらだったら自分の精神的苦痛が癒されるか、というのも人それぞれでしょう。裁判所で認められる金額としては「数百万円」というのが一つの基準でしょうが、もちろん、内容・程度・期間・証明力などにより大きく異なります。

具体例4 裁判官も人の子? 判断の分かれ方

Dさんの夫の不貞は複数でした。証拠は、メールと写真、しかし、決定的証拠はなし。「不貞」の証拠認定の難しさ、つまり裁判官の「経験値」の差が出た結果、地裁と高裁で不貞の有無の判断が分かれました。

【不貞の3ポジション:誰から相談を受けるか】
では、誰が誰に請求できるのか。不貞の登場人物は、夫、妻、そして第三者の3名が基本です。
仮に、夫が不貞をした(と疑われる)ケースでは、妻は、夫に請求すること、相手方の女性に請求すること、2人に請求することが選べます。相手の女性から夫へ求償権として請求される場合もあるでしょう。どちらの働きかけが大きいか等が問われます。

具体例5 別れないけど許せない、許せないけど別れない

Eさんの夫の浮気発覚、夫も認めます。しかし、離婚はしないでEさんは相手方女性を訴えました。すると訴えられた相手方女性は夫の責任だとして夫も裁判に巻き込んで(訴訟告知)の三つ巴の闘いに。資力のない女性と生活を支える夫。実質的に慰謝料を負担するのは結局、誰なのでしょうか?

3 財産分与とは? 何が対象?

財産分与とは、それまで夫婦が協力して築き上げてきた財産を公平に分配することです。「別居時において存在する積極財産」を対象にします。
たいていは、自宅、自動車、預金、退職金などの資産、そして借金が問題になります。自宅も登記名義、残ローン、現在評価額などで一筋縄ではいきません。
「ローン付き自宅をどうするか」こそが問題です。売却して分けるのか、どちらかが住み続けたいのかによっても異なります。慰謝料や養育費と合わせて考える場合もあります。また、そもそも情報を開示しない場合にどうするかなど、離婚をめぐる経済的論点の中心となります。

具体例6 価値ある自宅を確保するには

Fさんは、偶然、夫の不貞を発見。やっぱり許せないし、別れたい、だけど、自宅はほしい。子どもが私立の学校へ通っているというケースです。これは、かなりの「乱闘」となりましたが、慰謝料、養育費、その他の借金を積み上げるなど工夫して価値ある自宅の確保を軸に解決となりました。

4 養育費と面会のシビアな関係

未成年のお子さんがいる場合は、原則、成人するまで養育費の取り決めが問題になります。大学卒業時までという決め方などもあります。また、金額については、いわゆる「養育費算定表」に基づくことが多いですが、子どもを高額な私立の教育を受けさせることを合意していた場合など特別な事情が考慮される場合があります。
ところで、せっかく取り決めても養育費の8割は滞るというデータもあります。もちろん、給与の差し押さえなどもできますが、子どもとの面会が実現できている場合は滞らせにくいという説もあり、逆に滞っていない場合は、面会も実現できていないことが多いのが実情でしょう。子どもを中心に考えた場合、どのように実現するかは改めて工夫が必要でしょう。

*算定表
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

5 「ない袖」の勝ち!

離婚をめぐるお金の問題は結構、シビアです。ない袖は振れないし、振らせることもできない、という現実があります。法的に支払う義務がある、ということと支払う能力がある、ということは別だということです。
但し、取れない相手から取れないのは、結婚してても、離婚しても同じです。多くのケースで離婚を留まらせる理由としては、この経済が問題になりますが、必ずしも結婚していれば安泰、ということもありません。
自立、自律ということを普段から考えて、独立した人格として接するというのが夫婦の基本ということになるでしょう。

具体例7 あるようでないのが相手方の資産

Gさんは、一流企業にお勤めで高収入、ご自宅も一等地。しかし、リーマンショックで、給与その他の資産価値が急落し、財産分与等離婚条件も急激に下がりました。うれしいような、悲しいような……。

6 離婚は、なあなあにできない者同士の「取引」

離婚は法的な手続きであり、信頼関係が欠けつつある関係の中で行われる一種の取り引きです。賃貸物件から立退を望む大家と賃借人に似た問題、つまり望む方が譲歩を強いられるという関係にあります。つまり「動機」が強い方が経済条件において譲歩せざるを得ない、ということです。財産分与の2年の時効、不貞行為の3年の時効なども注意しつつ、どこかクールな心持ちで焦らずに進めることがベターな結果をもたらします。

7 自分一人の調停は、案外危険?

今では、ネット上でもさまざまな離婚に関するコンテンツがありますので、おおまかな離婚についての知識を取得し、また、そもそもプライベートな関係のことですから、ご自身で家庭裁判所の調停を利用するというケースも多いと思います。
その場合に注意してほしいのは、目の前に登場する調停委員はおおむね「離婚でまとめる」のが目標であり、また、あなたの味方ではない、ということ。
私は、これまでの経験から、むしろ調停委員さらには担当裁判官と対決してでも依頼者の意向を実現するのが代理人弁護士と自覚して調停に臨んでいます。依頼者にも「調停委員の誘導に安易に乗らないように」と注意しています。

具体例8 誘導尋問に乗らないで

条件次第では離婚してもいいと考えていたHさんに調停委員は最初に「離婚するつもりはあるんですか。まず、それを教えてください」と迫ります。「いや、一応考えてはいますが……」と答えるHさん。すると、「あとは条件の詰めだけですね」とまとめられそうに。「条件が納得できなければ離婚する気はありません」ときっぱり伝えましょう。

8 婚姻費用の利用法

離婚までの生活費である婚姻費用も、基本的には「算定表」を基準に算定されます。「離婚するまで」ですから一度、家裁で決めておけば原則、支払いが継続されます。その結果、支払い義務者は早く離婚してしまいたいと思いがちで、一時金の支払い額がアップが期待されます。

「人は間違った理由で結婚し、正しい理由で離婚する」というけれど

それでも、間違うのが人間。間違ってこその人生、間違いが人生を豊かにもするときがあるでしょう。ただ、選択肢は必要ではないでしょうか。
選んで、間違うのか、それしかないと思い込むのかは、「豊かさ」の質が違います。選んで間違うのなら、仕方がありません。
私は、できるだけ、その選択肢を提示したいと考えています。

ご相談のパターン

ご相談者は、離婚されそうな方(離婚原因がある人、相手方にある人、自分にもある人)や離婚したい方(相手にある人、自分にある人、両方にある人)、そして、離婚って実際どういうものだろう、それを知ってから決めたいという方です。離婚したいのか、したくないのか。条件によってはしたいのか。ともかく、してやりたくないのか。どうすべきが決めるのは本人です。弁護士が決めることではありません。この点は、選択肢を提示した上でお待ちいたします。

具体例9 離婚後の生活の目処が立ってこその離婚

Iさんはご主人が高収入で高収入と億ション、贅沢な生活でした。しかし、やはり給与が突如下がり、金の切れ目が縁の切れ目。資産はあっても「出口」、つまり今後の生活のメドが立たず、離婚の決心はなかなかつきません。

離婚という決断へ

いざ、ともかく離婚に向けてアクションを、となった場合、まずは「方法の選択」が問題となります。
任意の話し合いで決着はつくか。ご当人同士では信頼関係が崩れようとしている2人ですから、まず無理でしょう。そこで、代理人弁護士を依頼する、調停を申し立てる、などの選択を考えることになります。始まってしまえば一定の「闘い」の要素、とりわけ心理戦の様相を呈します。戦略・戦術をよく考えて自分の権利を最大限に実現するようがんばりましょう。

具体例10 雨降って地固まる

夫であるJさんに対し、面会禁止の仮処分が申し立てられ、認められるというハードケース。婚姻費用請求調停、自宅の売却寸前。しかし、結局「復縁」されてご夫婦で挨拶に来られました。共通の敵、それは、他の親族(!?)ということもありえます。

弁護士に相談する前にできること

ぜひ、離婚後の生活をイメージしてください。
どうやって生きていくのか、収入、住居、子どもの学校など。
現在の夫婦の収入・資産の把握をしてください。まずは分かる範囲で。
相手方の生活ぶりにつき、おかしいなと思う点、気になる痕跡は写真を撮っとおくなど証拠化をしてください。完璧である必要はありません。ある程度、「情報」が集約されたら、その上で、どうしたいか考えましょう。

弁護士を訪ねる前にできることをやっておきましょう。その方がスムーズにどんな選択が可能かその場で弁護士と相談できるからです(相談料も節約できるし)。しかし、状況によっては何も考えられないこともあると思います。その時は何もできなくてもいいし、とりあえずいらしてください。
何から手をつけられるか一緒に考えていきましょう。